本郷の東大総合研究博物館で『若林鉱物標本』展を見てきました。
若林標本は日本の三大鉱物コレクションのうちのひとつだそうで、かつて日本中で鉱山が稼働していた時代に集められた鉱物見本が所狭しと展示されています。
展示室はこんなふう。
昨年パリの鉱物博物館でもそう思いましたが、鉱物の展示室って独特の雰囲気です。無機物なのに、動植物などとは違う時間軸で成長する鉱物。静けさのなかに生命感があります。
和菓子のようなこれは栃木県日光のカルサイト(方解石)。
島根県のアラゴナイト(霰石)。
パリで見て一目惚れしたスティブナイト(輝安鉱)。愛媛県から。格好いい!
これは閃亜鉛鉱・・・なにか聞き覚えがあると思ったら、最近作った帯留めに使っていました。
トップ写真の左のがそうです。(銀座もとじさんにてお取り扱い中)
偶然にひとの美意識に響いた地球のかけらの、どこをすくいとってどう加工するか、は研磨職人さんのセンスによります。
アテナリでは、そうやって作られた天然石のピースからデザイナーの感覚に響くものを一粒一粒選び、それぞれに合わせたデザインで一点ものの装身具に仕立てています。
ツクツクきらきら、水晶の先がほんのりパープルがかった美しいアメシストは秋田県から。
博物館の外にはごろんごろんといろいろなものが転がっていて面白い。
『東京大学・若林鉱物標本 日本の鉱山黄金時代の投影』展は9月1日まで、石好きの方にお勧めです。