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パリ、真珠のキャピタル

パリのL’Ecoleで開催中の「Paris, Capitale de la Perle」を見てきました。

パリと天然真珠の関連性を紹介しながら、主に天然真珠で作られたジュエリーをまとまった数で見せる展示会です。

およそ100年ほど前に養殖真珠が西欧に到達し、限られた人のための稀少な宝石だった真珠は価格が暴落、フランスのディーラーが中心になって世界で共有していた旧来の真珠マーケットは壊滅して、パールジュエリーの新しい時代が始まりました。

展示会ではその時点までに作られた、採取に依る稀少な天然真珠を生かしたさまざまなジュエリーを100点近く見ることができます。

1920年製 ダイヤモンドビーズとの組み合わせは当時の真珠の価値を分かりやすく伝えます。

エアリーな展示方法が天然真珠の特性に合っていて、来場者の動きでかすかに震えるのがまたいい。

かつ裏側の細工も心ゆくまで眺められる仕組み。

1911年製 ブルーグレーのスウェードとパールの組み合わせは悶絶ものの素敵さ。

ベル・エポックの空気を感じる、カルティエのもの。

真珠のネックレスをまとったジャンヌ・ランバンの肖像画。

実は指輪の着け方が素敵。素敵なピンキーリングが欲しくなります。

1900年製 ミシシッピ川の真珠。プリカジュールエナメルによるオーガニックな雰囲気と、花が片方あちらを向いているのがポイント。

2006年製 天然真珠を使った羊さんはJAR製。スターサファイアのくりっとした目がキュート。

たくさん見ることで、天然真珠のもつ不揃いなゆらぎ、小さなものを大事に生かすデザインなどが、とても詩的な雰囲気を作り出すことに気付かされます。

現代流通している養殖真珠は真円の核が入っているものの、偶然性が関与したバロックパールやケシパールを特に好む人(自分も含めて)がいる理由がはっきり分かった有意義な時間でした。

展示会は6月1日まで開催中です。

L’Ecoleはガルニエ宮から500mほどの便利な場所にありますので、パリ行きの予定のあるジュエリー好きの方には強くお勧めします。