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南へ その壱

来年の素材探しを兼ねた旅。

かなり南下しましたが雲と風の影響で、体感気温は東京と大して変わらず。陽光に恵まれる東京の冬は、何だかんだいって過ごしやすいです。

今回初めて訪れた場所ひとつめは、清朝期の18世紀末から19世紀初頭にかけて建てられた屋敷「林安泰古厝民俗文物館」。

福建出身で台湾で成功した林氏の屋敷は、風水の条件を満たす台北市内の別の場所にあったそう。市内の幹線道路工事により1967年に取り壊されますが、その後現在の場所に移築され公開されています。

適度に視線を遮りつつ、モチーフに囲まれた庭園の景色を楽しめる巧みな設計。

「漏窓(ろうそう)」という中国庭園に多用される透かし窓です。

蝶、コウモリ、ざくろなどの吉祥文様に混じって、瓶のような形も。

これは「瓶」の読み方が「平安」の「平」と同じで縁起のよいモチーフとされていることから。

何度も見とれたこの屋根の反り。

燕の尾に例えられる品の良いカーブが美しい。

馬の背に例えられる屋根の凸部には、建物のオーナーの干支にちなんだ模様が入ることもあるそう。ここでは雲龍のような、瓔珞のようなモチーフでした。

見えるような見えないような。

透かし窓を重ねて、透かし具合を調節できる部分もあり、住まう人々のドラマを感じます。