エディンバラは着いた瞬間から大好きになった街。
旧い建造物が高低差のある土地に建ち、チャーミングな細い路地がたくさんあり、いくらでも散歩が楽しめる仕組み。街中のどこからもみえるエディンバラ城へも、行き方が無数にあるようです。
突然の日差しに突然の雨風。天気予報は毎日同じで「曇り時々晴れ、ところによりにわか雨」。
現地の人は雨の中、傘もささず「なんという天気だ!」とにこにこしています。撥水性のコートはこの気候が生んだマストハブアイテムだと納得。
エディンバラ城で面白かったのが国立戦争博物館。なんとなく足が向かずパスして帰ろうかと思った矢先に降り出した雨を、やりすごすために立ち寄りましたが、意外にも楽しめました。
コスチュームや装備品が興味深いものばかりで飽きません。世界のミリタリー関連だけで服飾博物館を作ったら絶対面白いな、と思いました。もうどこかにあるのかしら。
たとえば勇猛さで鳴らしたというスコットランド北部ハイランダーの、独特なコスチューム、というか装身具。
バレエ観る方ならシルフィードのジェームズでお馴染みの、あれです。舞台用のコスチュームとして目立つように作っているのかと思っていましたが、サイズ感はこの通り。どう見ても邪魔っぽいです。
これはクリミア戦争を題材にした、フランス人による版画。ハイランダーズは主要な戦場には赴かなかったらしいのですが、独特の装いがイギリスの参戦を頼もしく象徴する図、ということでした。
しかし、やっぱり邪魔っぽいです。
スコットランド国立博物館も面白く、空間が広々として、ベビーカーを押してやってくる家族連れもたくさん。
めちゃくちゃ格好良い鎖のチョーカーはヴァイキング時代のもの。
類似のものが無数にありました。
何キロにもなる無垢の銀地金は、ローマ時代の銀をリサイクルして作られたものだそう。
そのローマ時代にもすでに、大量の銀貨をつくるため銀のリサイクルが大規模に行われていたようです。
さてここは、イラン出身の兄妹が営むパティスリー。気に入って、滞在中は毎日通いました。
故郷に長く伝わるというお菓子は儚くて美味、”洗練された”という形容しか見つかりません。薔薇の花がたっぷり入って香りの良い紅茶と、やはり名産のサフランが香るシュガースティック。店主は多く語りませんが、もてなされたという温かい気持ちになります。
宝物のような、また必ず行きたい場所です。