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香港にて

素材探しに訪れたついでに、香港のレコールで開催中の特別展「An Eye for Beauty, the Illuminata Jewelry Collection」を見てきました。

或る香港のマダムがコレクションした、製作時期も場所もさまざまなハイジュエリーとともに、同じ人物が求めて愛用した明代の家具や服が展示され、血の通った空間になっていました。

これはマダムがシャンハイタンで誂えた服に、同じ中華様式の翡翠のアクセサリーを組み合わせた展示。 他には、ガリアーノのドレスに19世紀のカラーストーンジュエリーの組み合わせもありました。

展示品の中で一番気に入ったのはどんぐりのティアラ。3つに分解してそれぞれをブローチとして身につけることも出来ます。

じっくり眺めて可愛らしさを味わっていると、またどんぐりを描きたくなってきました。

レコールの入っている建物は2019年にできたK11 MUSEA。建物から香港島側に出ると遊歩道で水景が楽しめるつくりになっています。

再開発で変貌を続ける街も、人の暮らすエリアを歩いていると、特に商売の場所に必ずあるのは昔ながらのこんなもの。

この頃お気に入りの小さなお店の、キャッシャー脇にある立派なお壇は、どんなに忙しくてもきれいに保って新鮮な果物や明かりを絶やさないよう心配られているのがひと目で分かります。

漢字の「美」にはもともと豊かさを願う意味がありますから、この小さな設えは「美」のひとつのかたちとも言えそうです。