台北の人形劇芸術センターを訪れました。
館内には子どもたちの見学グループや、海外からのビジターの姿も。
台湾では対岸の人形劇文化が伝わりポピュラーになった後、(他のたくさんの娯楽と同じく)ライフスタイルの変化により絶滅寸前になります。
前回台湾を訪れた際はたまたま公演を見ることが出来ましたが、立派なホールに観客は20人ほど。文化は存続を目的とした瞬間から頑として衰退をはじめる不思議な生き物です。
館内では主に台湾の布袋劇(ポティヒ)と呼ばれる指人形劇の歴史解説、実際に使われていた人形や衣装の展示、それから世界の人形劇(指人形、影絵、操り人形)が紹介されています。
展示されていた布袋劇の人形のなかのひとつ、どことなくミッシェル・ヨー似の美人さん。
細部まで丁寧に作られた人形の衣装は、サイズ25cm四方ほど。
ぎりぎりまで使い込まれた状態が「ここまで凝った衣装で演じる機会はもう訪れない」という演者の覚悟を物語るようです。
武生(ウーション=武人の立ち回り役)の衣装。裾が割れて動きやすくなっています。
館内には観覧者が実際に人形づかいを試せる場所がいくつかあり、海外からのビジターのひとりは大はしゃぎ。なんとも大人気ない。
人形劇の何が面白いかというと、やはり演者によってモノに何かが宿るところでしょうか。
名演者による人形劇の舞台は、お腹の底から感動します。