遠山記念館でプレ・インカの工芸を楽しんだ後は、隣接の家屋と庭園を堪能しました。
冬の浅い日差しが入り、とても良い感じ。
昔から、古い日本家屋に入るとどうも襖の引き手に目がいきます。
祖父が表具屋だったせいかも知れません。
子供時代の夏休み、遊んでよいとふんだんにあてがわれたのはもっぱら框(かまち=木枠)の切れ端でしたが、引き手や、極小の釘が詰まった重い箱は憧れでした。
作業場をうろうろする子供は邪魔だったに違いありませんが、時々「そこの刷毛(取ってきて)」とか「釘(持ってきて)」と司令が飛ぶと、大人になったみたいで嬉しくて仕方がなかったのを覚えています。
襖の柄と引き手がコーディネートには、住まう人の意図も見えて楽しい。
竹と萬寿菊。
こちらは逆バージョン。
オクタゴンの引き手からふと目を上げるともうひとつのオクタゴン。
月、ひょうたん。モダン。
おまけは、縁側の外、日向で無防備に冬眠(不明)していた蛇。
どういう手順でこの姿勢に収束するのか、頭の中で考え始めると眠れなくなります(笑)。