
フランス名物の労組ストのせいだったかCOVID渦のせいだったか、ともかくやっと公演が実現した、パリオペラ座のマイヤーリング。
キャスト違いでニ晩、楽しんできました。

ガルニエは何年ぶり?

「贅を尽くす」という言葉を形にするとしたらきっとこういうの。
維持するだけで必要になる膨大なコストは免れないものの、今後こんな空間が作られることは絶対にないことは明らかです。
継承をささえるたくさんの人の強いプライドを感じます。

ここは端のほうの、一番好きなパートのひとつ。黒に金、それから光。素敵。

そういえばちょうど今、京橋のアーティゾン美術館で「パリオペラ座」展を開催中でした。
これは出かけないと!

さて公演のなかみ。
キャストが発表された時から、ルドルフは誰の日にあたってもいいなと思っていましたが、チケットを入手した日はユーゴ・マルシャンとマチュー・ガニオでした。
2晩観てみると、マチュー・ガニオのルドルフが好みで、特に彼のファンというわけではないので自分でも意外でした。
いつものエレガントな踊りのなかに、齢30にしてすでに疲れ果て出口がひとつしか見えなくなった皇太子の哀しさがにじみます。超絶技巧系リフトを2度ほど失敗していましたが気にならず。パリまで正しい振付を見に来た訳ではないのです!
そしてその日にミッツィ・カスパーを踊ったブルーエン・バッティストーニが上手くて華があって、とても気に入りました。マクミランの振付に独特な肩の表情が美しいので「マノン」も見てみたいです。
バッティストーニはその日まだスジェだったのですが、公演のちょうど一週間ほど後の内部昇級試験でプルミエールに。エトワールの器なのでこれからが楽しみです。
本家ロイヤル・バレエでも似たような時期にマイヤーリング公演があり、そちらのリハーサル映像やワールド・バレエ・デイの映像も楽しみました。
そんな訳で、リストの楽曲が頭を離れない日がしばらく続きそうです。