日本独自の蒔絵技法の基本が確立したのは平安期といわれています。
先人のお陰で例えば蝶を表現するのにも使える蒔絵技法はたくさんあり、現在入手可能な素材や現代の感覚との掛け合わせで無数のバリエーションを(作り手もお客様も)楽しむことができます。
細やかな表現が可能な蒔絵技法ですが、同じように繊細な工芸技法で思いつくのが刺繍。
2枚めの写真は苗族の背負布の一部。端にぐるりと蝶の刺繍 が施されています。
実はこちらは裏側で、子供を包む布の外周に沿って一針一針刺繍されているお守りの蝶なのです。
簡素な布に不釣り合いな美しい刺繍は手にとって眺めるたび、作り手の家族への思いが温かく伝わってきます。