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イスラーム王朝とムスリムの世界 展 ジュエリー編

東京国立博物館東洋館で開催中の「イスラーム王朝とムスリムの世界」展へ。

マレーシア・クアラルンプールにあるイスラーム美術館の所蔵品から選りすぐりの、200点ほどが見られます。
幸い会場内は撮影O.K.でしたので、面白かったものから、今日はジュエリーにまつわるものをいくつか。

ムガール朝皇后像、12人のムガール朝の皇后が象牙板に油彩で描かれた細密画。

皆さんの顔の両側に垂れ下がるジュエリーはこのあたりのエリアに独特の「こめかみ飾り」です。おそらく、耳たぶに下げられる程度の宝石では物足りなかったのでしょう。

そういえば日本でも江戸時代、遊女を中心に巨大な結髪が流行ったのは多分、かんざしをたくさん着けるため。

ムガール朝の貴族は、人類史上一番たくさん宝石を身に着けた人々だったのではないかと思います。女性も男性もふんだんに着けていました。

こんな風に。狩りの装いということで、これでも装身具は控えめ。
ふんだんに着けられた白い粒粒はすべて真珠です。

20世紀半ばを境に、「粒ぞろいの真珠」の意味はがらりと変わります。
この頃はまだ、人が海に潜って貝を採集し真珠を探していた時代。大きさの揃った真珠はそれだけの数を集められるという権力の証でした。

そしてこの肖像画では、ヨーロッパ文化の影響を受けて勲章まで加わっています。

何かのしるしというよりも、それまでなかった宝飾アイテムとして即取り入れられたのではと想像します。デザインもヨーロッパ風。

細密画の肖像の、視線の外し方がちょっと面白いです。ここまで横目の肖像画も珍しい。

総ダイヤのコスチュームジュエリーもさらっと展示してありました。

展示会の会期は2022年の2月20日までなので、もう一度くらいは行きたいです。

トップの写真は2013年にクアラルンプールを訪れた際に撮った現地の丸天井。素敵な充実した美術館でした。

暑さが続きます。
うまくやり過ごし(日本らしい表現!)、どうぞよい週末をお過ごしください。