汐留美術館の「香りの器」展を見てきました。
手のひらサイズに美しくつくられた古今東西の工芸品の、可愛らしいこと。
濃いめブルーのウエッジウッド。オクタゴンのクラシック。
蓋がまた。
ペールグリーンの花のつぼみ。
有史以前から私はここに居ました、と言われても驚かない完全なかたち。
モノがここに落ち着くのに必要なのはただ、クリエイターの磨かれた感覚。
蓋には三羽の蝶が控えめに。
展示品で一番気に入ったのは、9世紀か10世紀ごろの「二重円圏カット装飾香油瓶」と「桐鳳凰文鎖付香水瓶
」です。(どちらも残念、撮影不可でした)
前者のガラスは変質して(ローマングラスと同じ、銀化というそう)、虹色に輝いています。土もついてざらざらで透明ではなくなっているのに、佇まいの透明感が不思議。
後者はひと目で解る日本製。最上級の作りのものだけが持つ気品があります。そして菊の鎖がたまりません。
ガラス越しの水仙を横目に、美術館を後にしました。