ポップアップショップの会期中お預けになっていた本。
面白かった!
新聞の書評に載っていたこの本に興味を持ったとき、ムガール帝国を創ったバーブルが書いた日記形式の本『バーブル・ナーマ』をひろい読みしていました。
バーブルは新しく征服した土地を評価するのに、「良いメロンが採れる」「ブドウがうまい」と果実の質にたびたび言及します。それが気になって仕方がありませんでした。
だって当時(15-16世紀)、統治者が気にするのは穀物の収量のはずだと思っていたから。
日本だったらまず米、次に米、何をおいても米だし。
それが、メロン?ブドウ?・・・大丈夫?
その違いが面白くて気になって、ある日見かけたこの本にも興味を持ったというわけです。
結局、この『反穀物の人類史』では、穀物(=税)を人間に余剰生産させてその収量管理をする国家という形態と、そうでない大小の統治形態があり、ムガール帝国は後者のスター級だったと書かれています。
そしてちょっと驚いたのは、ここ数年自分が興味を持って調べたり読んだりしていたテーマが軒並み後者に分類されていたこと。アイヌもそう。
そういえば、直木賞受賞で話題になった『熱源』はお勧めです。
日本の北端とユーラシア(中世以降はロシアということになりますが)の東端を兼ねる位置に暮らした人々について、その営みの断片を知ることができます。