グラナダに生まれ、ヴェネツィアに没したデザイナーの、多彩な活動領域を見ることができる展示会です。
ちょうど10年ほど前に庭園美術館で『ポワレとフォルチュニー』展を見ていますが、劇場の照明設計や間接照明による室内ランプを手掛けたデザイナーだからこそ、このコスチュームなんだ。と今回の展示会ですっきり腑に落ちました。
流れるようなシルクのプリーツ、ドラマティックな光沢のベルベット、いずれも女性の身体がそれを纏い、動くことで、やわらかな光の効果が無限に続くしくみ。
展示されたコスチュームは金をはらんだ色調が美しく、よい刺激を受けました。
フォルチュニの生地は現在もジュデッカ島で作られているそう。
トップ写真はパドヴァから運河を船でゆき、海からヴェネツィアにアプローチしたときのもの。ジュデッカ島の目印、レデントーレ教会が見えます。
ところで今回マリアノ・フォルチュニーの生涯に触れてみて、生を受けたこの世では、自由に遊んでいいんだとあらためて感じました。