いつもお世話になっている方のお勧めで、高野松山展へ。
永青文庫のあたり一帯は、緑薫る・・どころではない、むせるような草木の香りに満ちていました。
高野松山は熊本出身で、細川護立の用心棒(!)兼漆芸家として細川邸内に住まいながら年に1~2点を製作し、昭和30年に蒔絵の人間国宝になったという面白い人。
エピソードには事欠かず、蒔絵に使う金粉を一粒ずつ選んで買ったとか(もちろん普通は量り売り)、蒔絵筆は一旦ばらして良くない毛を除いてから組み立て直したとか(もちろん普通は妥協する)。
そうやって高みだけを目指して描かれた線、研ぎ出された面の、綻びのない美しさは人の手によるものとは思えないほどでした。