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庭園美術館にて

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ずっと気になっていた、「ブラジル先住民の椅子」展を見てきました。

ボディペイントと共通だという幾何学模様の彩色と、本物の素材感が、不思議にアールデコ様式と調和しています。

広大なアマゾン流域にばらばらに存在する、十数の部族の、手作りの椅子だけが集められた空間。
その空間に自分がいる、それだけでも面白い体験です。

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猿の後ろ姿。
他にも鳥類、バク、ジャガーなど作り手に身近な動物を象った椅子たちは、思わずニンマリしてしまうチャーミングさ。

展示された椅子はすべて無垢材からの削り出しです。
その素材の質のよいことに途中から気づいてまた楽しくなりました。
高級家具のように組織の密な木肌を オイルで丁寧に艶出ししてある座面は、思わず触れたくなります。

単純に造形として楽しいものばかりですが、見ているうちに背景が気になってきます。 誰がどうやって何のために?
新館で上映されている記録映像は、モノの背景を理解する手がかりになります。

「(初めて椅子が出品された)ビエンナーレで現代美術を見て、自分たちの作ってきたものの意味を見直した」とは作り手の話。
民芸品でなく芸術品だと捉え直し、まずは作者や素材や製作年などの記録を残そうと決意したそう。

うまく表現できませんが、これらの作品の良さの本質が損なわれずに作り続けられるといいなと感じました。

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おまけ。
36度超えの真夏日。 美術館向かいの小さなローマにて、大好きなbrioche con gelatoを。