文字の代わりの記録媒体。
カラートーンが、趣味の良いインテリアのお手本みたい。
文字を持たないが故に表現の熱い、ひょうたん製のカップ。
面白い表情の陶器。現代の作家ものだと言われても、何の不思議もない。
リャマに乗る人間の像は決まって、こんな風にしがみつくポーズなのだとか。
高低差の激しい道・・・牽く人は別にいるのかな。
これらはすべて、国立科学博物館の「古代アンデス文明展」から。
主な展示品はほぼすべて、撮影可能です。
装身具で面白かったのは、この貝のネックレス。
スポンディルスという珊瑚色の貝、古代世界では広い地域で貨幣に近い価値をもっていたようです。
これは、祭祀用とされているかなりの贅沢品。 説明によると「黄金より価値があった」そう。
その黄金。
展示品のなかには金(Au)の装身具も多いですが、そのデザインをみると金を使った理由は素材価値の誇示でなく、太陽に似た光の反射だったように思います。
それらを片っ端から溶かして持ち帰り、自国で貨幣と交換して利益を得た西欧人のこと、その貨幣もまた仮想であることについて考えたり。
「古代アンデス文明展」は上野の国立科学博物館で、2月18日まで。
15000年をモノで辿るのは、かなり貴重な経験。 面白かったです。