ジュエリーの仕事を始めて間もない2000年頃のこと。
勤めていた会社に来ていたコンサルタントの人が言いました。
「ジュエリーの企画に携わっているなら当然ご存知ですよね。
将来オークションで値がつくようになる日本で唯一のジュエリーブランド。」
素直に、自分は何も知らないなと思いながら、ノートにメモした「Gimel」の文字。
今でもよく覚えています。
両手に余る数すら見る機会が少ないのに、顧客から借りた過去の作品を含む500点も見られるという展示会。
最初で最後だなと思って、すぐに見にゆくことにしました。
オーガニックなテイストのジュエリーブランドがいくつもある中で、ギメルの使う素晴らしい素材とそれを最大限見せ切るデザインには、確固としたスタイルがあります。 たくさん見ることで特にそのことが理解できました。
人がひとりで出来ることの無限と有限も。
会場で見られる、芦屋・奥池のアトリエの映像も素敵でした。
春、夏、秋、と四季折々の風景のあと、雪をうっすらまとうグレーの六甲山が何故か、特に懐かしくて。