目黒の庭園美術館で、「並河靖之 七宝展」を見ました。
有線七宝は当初、中国のものをお手本に作られたそう。
そのため初期のものは大陸風、すなわち清朝の香り。
並河製にかぎらず明治期を中心に作られた七宝作品が展示され、
すべての輸出工芸品に影響したと思われる、時代背景に関しても丁寧に説明がありました。
吉祥文様が盛り込まれた超絶技巧系作品に少し辟易してきた頃に、
展示は新館ギャラリーへ移ります。
内国勧業博覧会で認められながらも一方で
「技術はあるんだから、デザインをもう少し何とか・・云々」
と指摘を受けた並河靖之氏は、新しい絵画的表現を目指したそう。
国内需要を意識したことが伺える、表現の方向転換です。
こうした転換期のあとの、
「山水図香炉」「楼閣山水図香炉」は素敵で、余白を生かした清々しさにほれぼれしました。
あぁ満足した、と図録を求めて帰宅後、気づいたのですが、
お気に入りの二作品の写真が現品と似ても似つかぬ凄い色出し。
ぴちぴちの果物を買って帰ったらドライフルーツになっていたくらいのインパクトがありました。
このページだけでいいから差し替えてほしい・・・
展示会は4月9日まで、ドレスコード割引は「蝶」です。