松濤美術館で『サロンクバヤ シンガポール 麗しのスタイル』展を見てきました。
展示品は、プラナカンの名家がシンガポールの博物館に寄贈したものだそうで、粒ぞろいという言い方がぴったり。
クバヤ(上衣)とサロン(腰衣)をセットにしたマネキンが主ですが、ジュエリーも数十点展示されています。
テーマが絞られているので、時代による変遷を分かりやすく面白く辿ることができました。
全ての展示物の撮影は許可されています。
素晴らしいバティックもいろいろありましたが、特にこの木綿の織に惹かれました。
ものすごく精緻なのに「どうだ!」という感じが全くなくて、どこまでも清々しい佇まい。
南インド製で19世紀後期あるいは20世紀初期のものだそう。
全ての展示品のなかで一番迫力があったのはこの儀式用布です。
ベージュグレーの部分は色ムラに見えて、
近づくと手描きの模様だったりします。
最後の展示室に集められたジュエリーも素晴らしかったです。
中国と行ったり来たりする必要のあった夫と対照的に、マレー半島の先端にどっしり居を構え、力をもったニョニャ(マダム)の存在感を印象づけて展示が終わります。
おまけは、ご存じシンガポールエアラインの(太れない)制服。
オリジナルがピエール・バルマンのデザインだとは知りませんでした。
展覧会は9月25日までで、金曜日のみ20時まで開館しています。
館内はシンガポール並みの空調ですので、羽織るものをお忘れなく!