ふと見上げると、刷毛で掃いたような薄雲が火を噴くドラゴンのよう。
東京はこのところ涼しかったので余計に、暑さが堪えましたが、美しくも不思議な素材と出会い、どう仕立てるかを早速あれこれ考え始めています。
帰国の前に少し時間をつくって立ち寄ったLiang Yi Museum。
一昨年からずっと行ってみたかったのですが、なかなか都合のつく時間にアポイントが入らず、今回ようやく念願が叶いました。
明朝と清朝の素晴らしい中国家具と、19世紀から20世紀にかけてヨーロッパで作られたバニティケースがパーマネントコレクションで、今はV&Aのコレクションから英国の銀製品も特別展示されています。
東方の扁壺形を模した、1881年英国製の銀の壺。ものすごく素敵。 「抱月壺」という中国名も素敵。
こちらはミュージアムの収蔵品で、それが置かれた清朝の家具と、またよく合うのです。
バニティのコレクションは点数も豊富で見ごたえがありましたが、その中でもこのブチェラッティのは特別でした。本物のサティーナ仕上げ、完全に調和したルビーとダイヤモンドの装飾に、ため息。
バッグ以前の女性の小さな(そして文字通りご自慢の)持ち物は、その時代ごとの使われ方を想像しながら見ていくと楽しく、時間があっという間に過ぎます。
ミュージアムの見学はアポイント制のガイドツアーのみで、特別展「Masterpieces of British silver」展は、8月18日まで開催中です。