ポーラミュージアムアネックスの「祝いのよそほい」展を見ました。
江戸時代、さまざまなハレの日を彩った装いの道具が、それらを描いた浮世絵とともに並びます。
あまり見る機会のない、女性たちの”お支度中”の様子を描いた浮世絵は面白かったです。
ボサボサの髪、ダラダラの着姿で、鏡を見ながら化粧する女たち・・
写真のない時代に庶民の風俗を遺す、貴重な資料です。
展示されていた化粧道具は、どれも小さくて細工が凝っていて、可愛らしいこと。
繊細な紅皿や紅猪口、見るからに質のよい化粧筆の数々など、現代も何も変わることのない女心をくすぐる、こまごました品がたくさん見られます。
見終わる頃に、先日文化学園服飾博物館で見た「魔除け」展のことを思い出しました。
あの、シビアさと切実な祈りに満ちた装いの数々とは好対照。 穏やかで、移ろいやすさと細やかさに満ちています。