上野西洋美術館の「黄金伝説展 -古代地中海世界の秘宝-」を見てきました。
黒海沿岸のヴァルナで発見された6000年余前の墓の復元展示が、展示のストーリーの起点になっています。
この墓は世界最古の金製品が出た場所で、時を経て衣服も肉体もほとんど形のなくなったあとに唯一、人の形跡を示す骨と、装身具だけが残っています。
面白いなと思ったのは、金と並んで貝の腕輪が残っていること。 日本の古代にもみられる、二枚貝の中央をくり抜いて腕を通すタイプです。
現代の感覚でいうと、金と貝は素材価値に雲泥の差がありますが、何かの理由で貝の装身具が重要なものとして扱われていたのかもしれません。
その他たくさん展示されていた、紀元前に金で作られた装身具類は、単純にモノとして素晴らしいです。 金という素材が、ありとあらゆる加工技術によって、凝った装身具に仕立てられています。
見ているうちに、人間が果たして進化しているのかどうか分からなってきたほど・・・
とにかくかなり充実した内容の展示会でした。
展示品の出処がブルガリア、イタリア、ギリシャ、オランダなど多方面で、これだけの数量をまとめて見られる機会はなかなかなさそう。
お勧めです。