先日の展示会rooms29で、何度か聞かれた「ATENARIってどういう意味?」をもう一度まとめてみました。
「あてなり」は日本の古語で、「品よく美しいもの」のような意味とされています。
しかも、美として評価された美、美のための美ではなく、誰かが日常の中で思いがけず出会った、はっと心動くような美しさというニュアンス。
このニュアンスが伝わるように、「あてなり(貴なり)」という言葉が使われた文章を紹介します。
「あてなるもの」 (枕草子 清少納言)
あてなるものといえば・・・
モーヴ色の上に重ねて着た透ける白の上着。
鳥の卵のフォルム。
銀の器に盛られた、透明なシロップのかき氷。
水晶の小さな珠の連なったもの。
藤の花。
雪が降りかかった梅の花。
かわいらしい子どもが苺などを頬張っているところ。
以上、私の勝手な現代語訳!
「あてなるもの」にはセレンディピティの要素があること、伝わりますか?