精緻な装飾の洪水。
シンガポールのプラナカン博物館にて。
パステルカラーのファンシーなグッズを連想するプラナカン文化。
ですがたっぷり2時間楽しんで博物館を出る頃には、全く違うイメージを持つ自分がいました。
博物館は、アイテムごとや様式ごとの展示ではなく、華やかな婚礼儀式用の設えに始まり、葬儀の設えで終わります。
子孫繁栄の起点となる婚礼から、子孫が旅立つ人を見送る葬儀まで、人の営みが展示の主体になっています。
モノはモノとして素晴らしく美しく、それぞれに意味や役割もありますが、あくまで人とその繁栄への願いがベースなのでした。
こちらはアジア文明博物館。
装身具の展示でいつもついてまわる「これどうやって身につけるの?」という疑問が、ボタンひとつでクリアに。
最近流行のアートディレクターとのコラボもいいのですが、こういうベーシックな問題解決が、時には嬉しい。
ヒンズー寺院の生気のエネルギーも、多民族が同居するための工夫も、とにかく面白い発見の多い旅でした。
アジアの(多分)中心から、日本の立ち位置を客観的に見られたことも、収穫のひとつ。
この海域の人の流れ、豊かな工芸文化については来年にかけて探求の対象になりそうです。
そして初めて嗅いだジャスミンの生花の香りは思い出すたびにうっとり・・・