時折、無性に惹かれる写実絵画。
Bunkamuraミュージアムで開催中の「アントニオ・ロペス」展を観て来ました。
鉛筆だけで描かれた、娘マリアや、屋内の一角は素晴らしいです。
なぜ鉛筆だけで、ウールの生地の質感や、タイルの冷たい感じが伝わる・・?
赤ちゃんの頭部像は、なぜ生まれて間もないと伝わる・・?
会場にぽつんと掲示されている、本人の言葉が、この展示会を総括しているよう。
誰もが記憶している「像」の本質。
それは写しただけでは得られず、才能のあるアーティストでも表現するのに苦労するようです。
水の入った透明なガラスのコップの透明感、白い薔薇の白さ。冷蔵庫の白さ。
南欧の町並みの、夕日と共鳴するテラコッタ色。
光と空気。温度と湿度。
ロペス氏は存命だそうで、本人によるセレクトの展示会は貴重。
お勧めです。
6月16日まで、渋谷Bunkamuraミュージアムにて。
ミュージアムショップで見た画集の、白い陶器のシンクに漬け置かれた白いリネン類の絵、あれも見てみたいな。