銀座もとじさんのギャラリートークで山岸幸一さんのお話を伺う機会に恵まれました。
具体的な製作活動について、この日は80分に及ぶ熱いお話で多くのことを語られていました。
(山岸さんの反物の特徴である触感と量感は写真で伝わりにくいかもしれませんがこちらで紹介されています)
山岸さんは、日本の高度成長期のある時点から、「効率化」を最優先に整えられた生産工程を全て洗い直し、「良いものづくり」を第一義に見直していった結果、30年余をかけて今のワークスタイルに辿り着いたといいます。
つまり蚕の餌を育てるところから、反物になるまでを全て”自家製”で行うスタイル。
工程の一部に手を入れることは、物を作る人なら誰でも試みることですが、山岸さんのユニークなところは「良いものづくり」の深い追求の結果、工程すべてが自家製になったということ。
一見、大昔にヒトがムラをつくって分業が始まる前の時代のようでありながら、同時に最先端であるようにも見えるのが不思議です。