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マン・レイ展

有名なのでなんとなく知っているつもりのアーティスト、マン・レイ。
でも知っているのは彼のキャリアの一部、しかもアイコン的に大量に出回る写真作品だけでした。
展示会では、写真以外にもリトグラフ、デッサン、製図などさまざまなものが見られます。
本人の没後、妻が財団の意向として保管し、長く非公開にしていた作品が、多く出品されているようです。
非公開だったものを一同に見ることが出来てラッキー、と素直に喜ぶか、非公開にしておいた理由を詮索するか、それは見る人の自由。
でもコクトー「風」やマティス「風」、今見ると何てことのない写真はブランディングの妨げになるかもしれません。
そういう意味では妻のジュリエットは有能なマネージャーだったと思います。
マン・レイがパリに渡ってすぐの頃に仲間のアーティストの作品を記録として撮った写真があります。
その白黒の、今の感覚では質が良いとも言えない写真に、作品そのものよりも臨場感を感じるのがちょっと新鮮でした。
しかし20世紀の初めのパリは特殊な磁力でもあったのでしょうか、アーティストが集結していますね。
ロシア革命がなければパリがアートの中心になることはなく、第二次世界大戦でパリが不穏にならなければニューヨークがアートの中心になることはなかった。
歴史はいつも誰かの解釈でしかないですが、そんな解釈もできます。
展示会は新国立美術館で9月13日まで。