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しゅろのかんざし 少々エキゾチックに

盛夏に向けた製作が進んでいますが、最近出来上がったのがこちらです。
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棕櫚(しゅろ)のモチーフを少し神秘的な、珍しいカラーで。
甘い香りの夜風にそよぐ棕櫚・・・どこかエキゾチックな雰囲気です。
特殊な製法で燻した、パープルとチャコールグレイの銀粉を使った蒔絵です。
マットな質感に出来上がりますが、今回少し光を加えるため、ところどころ瑪瑙で磨いて仕上げてあります。
この「金属を瑪瑙で磨く」という行為、ロシア東方正教会のイコン画でキリストの背景の金箔を磨くのにも使われていたそうです。
5年ほど前、或る展示会で、イコン画の制作用具として瑪瑙の磨き棒が展示されていました。
磨いて光らせる、というのは有史以来脈々と続く装身具づくりの基本ですが、磨く道具が残っていれば、発掘された完成品と同じくらい面白いだろうなあと思います(←道具好き)。