菊池智美術館にて。
ホテルオークラの近くにあって、大箱では味わえない親密な雰囲気が好きな美術館です。
透明感のある、みずみずしい作品も奥行きがあってとても綺麗だったのですが、最晩年のシリーズは一転、ひりひりするようなエネルギーに満ちていました。
何かを探求する道の途中で、自らの命の終わりによって探求が強制終了させられる無念さ、自分の持てる時間が日に日に少なくなっていく中での、何かを形に残そうとする集中力。
絵柄は抽象的になっていきます。
具体的なモチーフではもう、残したい膨大なものを受けとめてくれないという、もどかしさ、緊張感も伝わってきます。
実は展示会のタイトルが重くて、スタートしてからしばらく足が向きませんでしたが、見ておいて良かったと思いました。
さて、一番好きな作品は「雪白釉釉描色絵金彩黄色の花苑図四角隅切筥」。
見ても見ても、見飽きない、素晴らしい作品です。
展示会は4月18日まで。