新宿の文化学園服飾博物館にて。
みっしりと美しいシリアの絹地に、抽象的なモチーフの刺繍が施されたチュニックコートが基本形。
胸元と、後ろ身ごろの裾には重点的に刺繍が施されています。
後ろの裾なのは、自分では見えない背後の邪気を払うため。
以前見た、中央アジアのじゃらじゃらした装身具も、同じ目的でした。
「邪気を払う」という想像力を必要とするモティベーション、昔は世界中にあったはずなのに、今は見られないですね。
赤、黒、青、黄、とはっきりした色の組み合わせが多く、思わず「格好良い!」と唸ってしまうコーディネートもあります。
特に赤が主体となった装いは、繻子独特の光沢のせいでとても綺麗。
ずっとごたごたが続いていますが、地中海に面して本当は豊かであるべき地域の、伝統的な衣装の展示でした。