庭園美術館にて。
いわゆる「印象派」に先がけて”光”を描いたイタリア画家の一派。
何かにつけて、フランスのフェミニンさ、イタリアのマニッシュさ、は好対照なテイストですが、これもしかり。
夏の、乾いたイタリアの空気感が蘇ります。
夏、暗い建物から外に出たときの、くらっときて一瞬目が見えなくなったような感覚。
逆に強烈な日差しからすっと何かの陰に入ったときの、ほっとする感覚。
夕方の、全てのものが金色に、溶けていく感覚。
誰にも経験のある自然の中の光と陰のコントラストが、シンプルに力強く描かれています。
一見クラシックなテーマの中に、はっとするようなモダンな筆致が隠れているのを発見するのも楽しい。
華やかさがないのでこれまでもこれからも、ポピュラーにならず地味な存在でしょうけど、噛みしめて美味しいパンみたいな絵画の数々でした。