マリインスキー・バレエ来日公演で、一日だけゲルギエフが指揮する日。東京文化会館。
「イワンの仔馬」のストーリーをよく知らなかったので、今回はDVDで予習をしてから臨みました。
マイヤ・プリセツカヤの踊るタイトル「せむしの仔馬」。(ノートルダム・ド・パリと同じ理由で、ある頃から改名されています)
制作年は1959年、時代を感じる合成映像の連続。イワンが仔馬と空を飛ぶ場面が頻繁にあり、舞台ではどういう演出になっているのか、興味もって臨みました。
ストーリーは、日本でいうところの「桃太郎」並みの国民的寓話で、あれこれ考えず素直に楽しめます。
最後にイワンが水槽の中で着替えるのを、仔馬が一生懸命隠すところなんて、思わず笑ってしまいました。このあたりの”外し”のセンスは、現代を生きる振付家の作品ならではだと思います。
そして素晴らしいオケの演奏で観るバレエの舞台は最高でした。
ロシアっぽい、カン高い木管とパーカッションのキラキラした、澄んだ音。時々実際にため息が出そうなくらいの至福の時でした。
ちなみに曲は、プリセツカヤの夫のシチェドリンによるもの。
普通のバレエ公演より男性比率が高かったのはクラシックファンが多かったからでしょう。
この景気で、このマイナーな演目でこの入りは、ひとえにゲルギエフの力ですね。