先日、移動中にふと思いついたことをメモ帳に書いておこうとして、見つけた昔のメモ。
その頃読んでいた本の中で、気になった部分を書き写したものです。
< 香水にのしかかっている脅威とは、外国の競争相手ではない。個人の死である。
彼らは荒々しい意志をもって因襲を壊し、己の考えを通すという意志の持ち主なのである。
首脳部や大衆とは常に別の存在である。 >
これは確か、香料の歴史についての本でした。確か先駆者的な調香師がいなくなり、香水が大量生産になって質が変わった時期についての記述。このあたりの流れは『堕落する高級ブランド』(ダナ・トーマス著 実川元子訳)でも取り上げられていたように記憶しています。
さて、ここでいう「個人」とはもちろん、香料を操る秀でた、探求心のある調香師のことでしたが、「香水」の部分に他の単語をあてはめると、現代に十分通用するフレーズがいくつも作れそうです。
そして「因襲」とは、それほど長い期間で培われたものではなく、せいぜい数十年程度のことに思えます。
見えないものに勝手に縛られたように感じて身動きできなくなっていないか、時々確かめてみないといけませんね。