いつも何となく探しているものが、いくつかあります。
そのうちのひとつ、「すごく柔らかい包み紙」。
蒔絵のかんざしなど、大切に扱いたいものを桐箱に入れるとき、簡単に包むのに扱いやすい紙を探していました。
薄紙はわりとパリパリした質感のものが多くて、もっとソフトなものはないものかと。
今日は白山の紙舗直さんで、理想に近いものを発見!・・・それは漆漉し紙でした。
楮(こうぞ)を材料とする手漉きで、とても薄くとてもやわらかく、羽根のようにふんわりと、しかもふっかりとしています。
この手の紙はもちろん、漆の作業で何度も目にしているはずなのに、特定用途の道具としてしか認識していなかったようです。
紙舗直さんにはこういう無地の紙のほか、手漉きの紙を手で染めたものが無数にあります。
特に気に入ったのはチェリー材の家具に合いそうな、柿渋でさっと染めたもの。ところどころドーサで染め残しをつくって。
あと、藍とコチニールでむら染めされ、私の大好きなパープルの濃淡が表れたものもかなり素敵でした。
実はこのお店、8年ほど前に「この店面白そう!」と思って切り抜いた雑誌の紹介記事を最近、本棚を整理していてたまたま見つけたもの。
手漉きの紙のような、質感の面白いものへの執着はかなり前からあって、この切り抜きと一緒に出てきたのは、94年にスペインのトレドで夢中になって撮影した、古都の石壁の写真。
今見ても、ざらざらでこぼこした感じが面白い。
好きなものって、あまり変わらないですね。